はじめに
「ファイナルファンタジーXI」には、様々な職業とそれぞれに固有のアビリティが存在します。その中でも特に強力な「1時間アビリティ」は、プレイヤーが戦闘の要所で使用する切り札です。しかし、竜騎士の1時間アビリティ【竜剣】に関しては、切り札どころかマスターが大きく弱体化するという本末転倒な状態に成り下がっています。本記事では、その問題点と改善案について考察します。
1. 竜剣の現状
【竜剣の概要】
引用:FF11用語辞典
一見、多彩な性能アップで非常に有能なアビリティに見えます。しかし、一つずつ見ていくと、ほとんどが実質的に意味がほとんどないものであり、さらにむしろ無い方がよいものまで含まれています。
とくにひどいものは、【ジャンプ】による防御力ダウンです。防御ダウン-20%という性能は、他の防御ダウン技(アンゴン、アーマーブレイクなど)が-25%に比較すると見劣りします。さらにアビリティの上書きランクが非常に高く、ほとんどの防御ダウン効果を上書きしてしまいます。また、物理攻撃なので約5%の確率でミスが発生し、フライハイを併用しないかぎりリキャストが最大で1分間発生するというポンコツ性能です。
攻撃力25%up+防御力25%up は一見かなりよさそうに見えます。しかし、エンパシー+スピリットリンクによって、竜騎士はもともと攻撃力20%up+防御力20%upがかかっており、竜剣で飛竜がいなくなると攻撃力20%down+防御力20%down と下方修正がかかるので、竜剣を発動させても実質的に攻撃力5%up+防御力5%up しか上昇しません。
【最も重要な点】
飛竜がいなくなることによって、ウェポンスキル10%up + ダブルアタック15%up の恩恵が消失する。
これが深刻な問題となっています。他の多彩な性能強化がある一方で、この恩恵が消失するという仕様になっています。現状では、竜剣を使用するとマスターの強さが大幅に弱体化するという本末転倒な事態が発生しています。マスターは大幅弱体化するうえに、ジャンプを使用してしまうとパーティ全体の火力が低下する可能性があります。このような仕様が続く限り、ほとんどのパーティプレイにおいて竜剣の使用を禁止せざるを得ません。
【他ジョブの1時間アビリティとの比較】
他ジョブの1時間アビリティは、あまり有用ではないものが確かにあります。たとえば、忍者の微塵は衰弱を速やかに改善する手段に成り下がっていたり、獣使いの使い魔は使いどころが不明です。
しかし、マスターが大幅に弱体化したり、パーティ全体の火力が低下するような性能が含まれたりしている1時間アビリティは竜剣だけです。
2. なぜ竜剣は弱体化されているのか?
【運営側の意図や背景】
竜騎士は長らく不遇の時代がつづきました。ネタ扱いの代表格ジョブに成り下がっていた時期もありました。
そして、2005年に運営側が、竜騎士のイメージが悪化していることを公に発表しました。その後、少しずつバージョンアップされていきましたが、それでも竜騎士の不具合級のジョブ性能はあまり改善することはありませんでした。
運営側は、竜騎士はバランスがとりづらいジョブであることを公に発表しており、慎重にならざるを得なかったのでしょう。
これが竜剣を含め、竜騎士のジョブ性能をうまく調整できなかった理由になっていたのかもしれません。
【他の職業とのバランス調整の問題点】
重要キーワード:戦士がシャイニングワンを扱ったほうが総合力において竜騎士を上回っている。
調整を慎重にならざるを得なかった理由はなんとなくわかりますが、本当に慎重に検討しているのかどうか強く疑うような事件が2019年3月11日におきました。それが、【両手槍:シャイニングワン】の実装です。
竜騎士よりも、戦士と侍のためにあるような両手槍です。しかも、その強さが半端なく、竜騎士がレジェンド武器(RMAE)に該当する両手槍を扱った時よりも強いという仕様でした。ジョブ実装当時からずっと不遇を受けてきた竜騎士を完全に地に堕とした瞬間でした。
一方で、同じ両手武器をあつかう、戦士、暗黒騎士はどんどん強化されていきました。明らかに運営側のバランス調整失敗です。
そこでとってつけたかのような救済措置が、2019年10月10日で実装された【WSダメージアップ】【飛竜のステータスアップに応じてWSダメージアップ(最大+10%)】という竜騎士専用のアビリティ実装でした。
これで、やっとこさ竜騎士の単純なアタッカー性能だけは、他の両手武器ジョブと横並びになりました。
逆に言えば、これだけ思い切った大幅強化がされても横並びにしかならないということは、いままでどれだけ凄まじい超絶弱体化をうけてきたかということが垣間見えます。
では、バランス調整はおおむね問題が無くなったかというと、そんなことはないです。
それぞれの武器種には専門ジョブが存在します。例えば、短剣はシーフと踊り子が圧倒的な実力を発揮し、両手剣や両手鎌は暗黒騎士が圧倒的な強さを発揮します。両手刀は侍、片手刀は忍者が専売特許をもっています。片手剣は汎用性のあるイメージをもった武器種であり、そのイメージ通りに運用されていると思います。
では、両手槍はどうでしょうか。
両手槍といえば竜騎士が専売特許を持つイメージですが、FF11の世界観でもその通りになっています。(参照:https://wiki.ffo.jp/html/136.html)
しかし実際は、エンドコンテンツにおいて両手槍が主力となるとき、戦士が採用されるのが現状となっています。
戦士がシャイニングワンを扱ったときのDPSは、竜騎士が両手槍を扱った時のDPSと同等か条件によってはそれを上回っています。【WSダメージアップ】が実装された現状においても、そうなっているのです。
しかも、戦士には挑発、バーサク、ウォークライ、ブラッドレイジなどの強力なアビリティ、そして瞬間的に超強力な火力を発揮するマイティストライクもあるで、パーティ全体への影響力も含めると、総合力は戦士は竜騎士よりも優れているのです。
現在、プライムウェポンが実装され、かなり強い竜騎士専用の両手槍が実装されてはいますが、それでも戦士を超えることは無理でしょう。その理由の一つが、1時間アビリティの差です。瞬間的な強力な火力が発揮できないかぎり、両手槍で竜騎士が戦士を圧倒することは不可能です。
3. 改善策と提案
【竜剣の具体的な改善案】
【飛竜のステータスアップに応じてWSダメージアップ(最大+10%)】という性能を、竜剣使用後も消失しないようにするだけでよいとおもいます。それでやっとこさ他ジョブとバランスが横並びになると思います。過剰な強さには絶対なりません。
飛竜が自分の命と引き換えにその力をマスターに付与する、というのがFF11における竜剣です。
よって、竜剣を使用すると逆にマスターが弱くなるなんてことは世界観的にもおかしいです。
もう一つの問題点が、ジャンプによってアーマーブレイクやアンゴンなどの防御力ダウン効果が上書きされてしまうということです。
これは、本当にあってはならないことです。竜剣によって、ジャンプは単純に与ダメージアップするくらいでよいと思います。欲をいえば、防御力ダウン効果を -25%へ修正してくれるとありがたいです。
少なくともパーティに迷惑がかからないような仕様にしてほしいものですね。
4. まとめと今後の展望
【本記事のまとめ】
- マスターが大幅弱体化する唯一の1時間アビリティが【竜剣】である。
- その【竜剣】の大きな問題点により、竜騎士はいまだ両手槍の専売特許をもつことができない。
- そして、両手槍が他ジョブ(特に戦士)に喰われている。
【今後のアップデートへの期待】
両手槍といえば竜騎士! 両手槍が有効な敵は竜騎士が圧倒的に適性が高い! というイメージに竜騎士はなってほしいですね。
戦士の両手槍の立ち位置は、竜騎士がいないときの代替役として十分力を発揮できるという感じでいいんじゃないでしょうか。
【プレイヤーが運営に声を届ける】
プレイヤーからの声があがらないと、運営は一切行動を起こしてくれないと思います。とくに、大幅なバージョンアップは行うことはなさそうな雰囲気なので尚更です。